ずっと  ずっと

君を捜し求めていた

 もう 俺の傍から 離れないで



君が

君が好きだから―――――










The sky is dark with clouds...

空は 雲に覆われて 暗い




         「A Cloudy Sky」








***********




「暗い……」
そう呟いた。
俺の名は、はたけカカシ。木の葉隠れの里の上忍だ。


朝、1人で迎える朝は、もう慣れている。
家族とか、友人とかにはあまり恵まれない方で。
まぁ…ちゃんと、何でも話せる友人はいる。
だけど、それも1人だけ…アスマと言う俺と同じ上忍だ。
昔の仲間は、もう皆死んでいる。
俺の無二の友も、慰霊碑にその名を刻んでいる。
若くして、そいつも命を落とした。



俺は起きてから、暫くぼーっとしていた。誰も居ない、俺だけの部屋、
俺だけの空間で。




「カカシさん。」







―……?







その突然の声に、俺は驚いた。俺の家に、彼女が居る筈は無いのに。
俺は、ゆっくりと声の方へと顔を向けた。



…何で…」


紛れもなく、俺の視線の先には、が立っていた。





「何も…覚えてないんですか?…もう…昨日カカシさん任務の後、
高熱で倒れたんですよ?!それでも…カカシさんは『平気』って
へらへら笑って……」


「嘘…俺が?……そんな事全然…」



覚えていなかった。最近任務任務と、仕事尽くしで…殆どろくに食べも寝てもいなかった。
きっとそれが原因だろう。


「…まぁでも、元気そうで何よりです。私はカカシさんの看病をさせてもらっていたので
、こうしてカカシさんの家に上がらせてもらってたんです。」



「…。少し、思い出したかも…」


少し…だけ。確か…Aランク任務だった。激しい雷雨の中での事で。条件は厳しかったが、
任務は無事成功した。1人の犠牲もなく。
その後…気が抜けたのか、急に世界が歪んで…その後は全く記憶にない。






唯、思い返してみれば、彼女の

の声が、最後に聞こえた気がした。











***************


…さん……カカ…さ…ん




「カカシさん?」

「あっ、何?ごめん考え事しえた…」


「お腹…空きません?台所借りてもいいですか?簡単なものなら、なんとか
作れますから」

「あぁ、うん…ありがとね」

そういってに笑いかけると、も少し俺に照れ笑いを返した。
は台所へ向かおうとした。









けど






「あ…待って…




何故か俺は彼女を引きとめた。

「…?カカシさん?…どうかしました?」

は不思議そうに、少し戸惑って此方を向いて俺の傍へ寄ってきた。





俺は   君に   俺から離れて欲しくない―




「……」

暫くの沈黙の後










「ごめん…」




そう言って、俺はを抱きしめた。
強く、強く、何処へも行かないように、
何処にも消えないように。


「あ…あの…カカシ…さん…?」



は顔が赤いのだろうか、心なしか彼女はさっきよりも暖かい。


「俺は。」



「俺は もう1人は嫌なんだ…。
…寂しい思いをするのはもう、充分だ…」



俺は、今まで見せた事のない涙を
あの時、オビトの為に戦った時以来の涙を

目に浮かべていた―


「カカシさん…」





は俺の名を呼んで
の方から、抱きしめてくれた。
の、最大の、一番強い力で。





「カカシさんは」





「カカシさんはいつも1人で頑張りすぎです…」



「俺が?」



「はい。もっともっと、周りを、皆を…私を頼ってください。
辛い時、悲しい時。」



俺は、静かにの言葉を聞いていた。



「勿論、貴方が嬉しい時も…誰かにそれを伝えてください」



「カカシさん…貴方はいつも自分より周りの事を何よりも先に考えて
いつも“自分”は後回しなんです…。」




「1人になんて、しません。」


は、私は―
            



                  此処にいます。」


そういって、も静かに涙を流した。



俺は。
俺は 自分なんか、どうなっても良いと思っていた。どんなに自分が辛くても、どんな困
難があっても。周りが幸せであれば、それでいいと思っていた。




「俺は、、、ね、。」



「昔後悔したんだ。俺の最も親しかった友人を、失ってしまった時に。もう、誰かが傷ついたり
、死んでいったりするのは見たくないから…ね。」



「…カカシ…さん…」


「だけど」


「俺はそう思うことで、自分の事から逃げてたのかもね。ごめんね、。泣かせてごめん。」




また、暫くの沈黙が続く。
その沈黙を破ったのは、また俺だった。


。」



「…はい…」



「俺は、これからは君を護って行く。」



「ぇ…」




「俺はきっともう、の事しか求められないから。」



「っ…ありがと…ありがとう…ございます…私も…
カカシさんの…傍に…居ます」



そういって、更に涙を流し始めたを、俺はまた強く、抱きしめた。
とても愛しい彼女の事を。





そう きっと
俺の為に泣いてくれた
そして 俺の為に笑ってくれる彼女の “”の為に。





ずっとずっと
君のような人に巡り逢えることを 祈っていた







もう俺の傍から 離れないで




君が居れば 闇から出られるかもしれない
君の為なら 強くなれる







もう 涙は流したくないから。





It is fine today and there is not a cloud in the sky...



今日は晴れて     空には雲ひとつない







●○●○●あとがき(そして言い訳)●○●○●

こんにちは、まろん様。リクエスト頂いた、2323HITのお祝い夢文です。
『シリアス』をテーマに書いたつもりですが…なんなんでしょう…すみま
せん、あまりご希望に添えたような気がしません…;;

このような拙い文を、この度此方のステキサイト様に飾って頂けると言う
ことで、恐れ多くも…とても嬉しく思います^^
『名前変換』もまろん様にして頂いているので、まろん様以外の方にも
お楽しみ頂けるかと思います。(そんな大それたものではありませんが…)
暇つぶし程度には、なるかと思います。


それでは此処までお付き合い頂きありがとうございました!

まろん様も、これからも『カカシったらカカシ!』というステキなサイト運営
頑張って下さい♪そしてまたキリ番取ったら、このような物しか書けませ
んが、お祝いさせてくださいませ。

        2005. 10. 1. sat 鳴神 音【ナルカミ ネオン】



*******************

   お返事vv


はぁぁぁぁぁ・・・vvvv(感動の嵐。)
なんと素敵な文章なのでしょうっvvvv
感動のあまり、ため息が出てしまいましたよ・・・vv


「もう一人は嫌なんだ・・・。」

「俺の為に泣いてくれた
そして 俺の為に笑ってくれる彼女の・・」

「 ずっとずっと
君のような人に巡り逢えることを 祈っていた」



・・・・・すみません・・・涙が止まらないです・・・。(感涙
一つ一つのカカシの言葉が心に響きますね・・。
ネオン様!ごめんなさい!!
こんな素敵なドリームを暇つぶし程度で終わらせられません!!
一字一句見逃さずしっかりと読ませていただきました!!vvv

シリアスというテーマにピッタリな感動ドリームを書いて下さったネオン様に
なんとお礼を申し上げたらいいのか・・。
うわーんvvvv もう、土下座させてくださいませ!!!!////(土下座)
ホントに何をおっしゃいますやら!! 希望どおりの素敵ドリームですよvvv
その素晴らしい文章力を分けて下さいませ!!!;;(切実)


   もう 涙は流したくないから。

読み終わった後のこの感動をネオン様に伝えるためのいい言葉が
私の小さな頭から見つからないのがざんねんですが
  ・・本当に感動いたしました。

2323お祝い素敵ドリーム・・ありがとうございましたvvvv
これからも、ずっとずっと仲良くしてやって下さいませvvv
それではvvv

                            【霜月 まろん】




                           





It is fine today and there is not a cloud in the sky...



今日は晴れて     空には雲ひとつない