【 親 父 】









刀を握ることは、昔から苦手だった。


それは、己の手で人を傷付けているというその感触が直に伝わってくるから。













小さな頃に親父とした稽古についてもやはり同じで…

オレは武家に生まれていながら、戦うことがただ怖かった。

同じ稽古でも、読み書きや歌はいつも楽しくて

すぐにでも覚えられたのだけれど、武芸ともなればそれは別。


今思えば、やる気のない自分のその態度に

親父が厳しく怒鳴るのも無理はなかったのかもしれない。








「武士ならば、武芸を磨け。」



「何故、武芸を嫌う?」



「梶原の跡取りならば‥このくらいはやってみせねばな。」





「お前には、ほとほと呆れた‥」








親父に会うたび、

ごめんなさい‥と、いつも心の中で謝っていた。





出来が悪くて、ごめんなさい。



戦うことが怖くてごめんなさい。



親不孝な息子で、ごめんなさい。





だから、あの時、親父と決別した際にも咄嗟に謝ってしまったのだろうか?










そのうち、なかなか武芸が上達しないことに呆れた親父はオレを陰陽寮に入れた。

毎日毎晩、勉強三昧な日々の中で‥オレは下に生まれた小さな妹や母上のことをいつも考えていた。

度々、家のことを考え冷たい月を眺めると何故か無性に泣きたくなったが、

その頃のオレは子供心に、なんとか親父に認められたくて…必死だったように思う。




父親然とし、いつも一族を陰ながら支えてくれていた彼は

常日頃から自分にも他人にも厳しく、

それは息子のオレに対しても同じで、

話す言葉や態度だっていつも淡々としていたけれど…








それでもあの人は




オレの親父だった。










「景時…おのれ、一門を裏切るか。」


「父上…オレは…」



「言い訳なんぞ今更、聞きたくもない。
武士が一門を捨てて敵方に寝返るなんぞ、言語道断!」


「……っ…」



「……いいか。この後…私の事は父と思うな。
私も、お前の事を子とは思わぬ。」




「……ごめんなさい‥」





「五月蝿い。金輪際、私の前に姿を見せるな‥。
今度、会うた時には必ずや‥この刀の錆にしてくれる。」




「……見逃しいただき、感謝致します。」











さようなら。



オレの父上。




オレは平家を捨てて、

源氏へ堕ちます。






最後まで親不孝なオレを




どうかお許し下さい…。
















――この後、親子は源平最後の合戦、壇ノ浦の戦いで合間見えることになる。


遠いあの日と同じように両者互いに太刀を合わせ真っ直ぐに相手を捉えて火花を散らす。


ただ一つ違うのは、そこに信念を背負う武士の魂が二つある、ということのみ。






両軍、激しい戦いの末、源氏は大きな勝利を収め、平家はここに大敗を喫する。



そして…戦で落ち逃れた父の行方を、息子は生涯、知ることはなかったという。







親子が今生の別れを戦場で迎えるのもまた、

武家の出である者故の運命(さだめ)か――






しかし、



その日初めて

その身に刻まれた

父親の太刀の重さを



真っ直ぐに受けとめた

その息子が、





忘れることは、




この先………二度とない。







                                   -fin-









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うん。 とりあえず、言わせてもらおう・・・。
何が書きたかったのかがまったくもってわからないし、

 史 実 妄 想 激 し い !!!!(爆;)

すみませんね・・・・歴史モノとかすごい好きなもんで!;

・・やっちまったZE☆(反省が見えない。)

景時さんのお父さんってたぶん、厳しい人だったと思うんだ・・・
だけど、凄く「武士らしい武士」だったと思うんだ・・・・・父としても、ね?

・・・・・ま、そこら辺の話は難しいので置いといて。(ぇ

霜月は、景時さん関係の史実妄想だけで飯が軽く三杯はイケます!(友に言ったらドン引き/爆)

つかさ、景時さんってお父さんのこと「親父」って呼ぶんだぜ!
いや、本人目の前にしてるときは敬語だから「父上」なんだろうけどさぁ・・・。
「親父の病気で・・」とか言っちゃう人なんだぜ!? 「親父」!!!

・・・・・意外と男らしいのね・・・かげときさんって。(笑)

ちょっとワタクシ、びっくりしちゃったよ☆☆(*^▽^*)

では・・・長々と語った上に、とんでもない駄文で申し訳ありませんでした;;<(_ _)>