【オレンジの陽】










きれいな きれいな




だいだいの色








橙の事をこちらでは



「オレンジ」というらしい。




オレンジは、どこか異国の果物の名前らしいけれど。





すっぱくて だけど



少しだけ甘い…




幸せの果実










「九郎?」



「…ん?なんだ、景時。」





オレンジの陽に



オレンジの光が



眩し過ぎて





ああ、遠いな…と思って


手を伸ばす






「九郎…あんまり先に行くと、迷っちゃうよ?」




「な…!馬鹿かお前はっ!童子でもあるま……」





オレンジの真っ直ぐな瞳が



僅か丸くなってこちらを見つめていた





ああ…綺麗だ



と、オレは純粋にそう思う







「……え?く…九郎?」



「馬鹿……今は、お前の方が迷い子のような顔をしているぞ。」




優しい声   優しい瞳



普段は仏頂面な彼の



たまに見せる甘い姿





「な…っ、えっ?ほ、ほんとに繋ぐの…?」


「何を言っているんだ?お前が差し出してきたんだろう?
よって、文句は聞かん。…行くぞ?景時。」


「ちょ…、ちょっと…!」





温かな彼の手が伸びてきて


オレが差し出していたその手を掴み、力強く導いた。







オレンジの光






きらきら輝く、綺麗なそれに


一瞬でも、手が届いたような気がして






嬉しくて   嬉しくて



オレは、思わず少し熱くなった頬を緩ませながら




前を歩くオレンジの彼に



ずっとずっと、



いつまでも





目を、奪われていた






                                    -了-








                                お題配布元:「恋したくなるお題」様
                                http://members2.jcom.home.ne.jp/seiku-hinata/

***********************************

・・・うん。 九景九はもう公式だと思うのだが、どうだろうか?(爆)

小話ですが、とりあえず・・あーっぷ!←

ああ、九郎と景時が好きすぎて本当にヤバイ・・・・・(今更;)