(*大団円にて和議終了後。 捏造注意;;)














   【 求めたものは・・ 】











長く続いた源平の争乱も終わり
平穏な時が流れる。

この世に平和をもたらした強く清いオレ達の神子は




今、妹と市に出ているところだ。


一緒にこの戦乱の世を生き抜いてきた仲間達も
皆、それぞれに自由な時間を過ごすため、今はこの邸を空けている。



オレはといえば、言わずもがな――










「うーん!こう気持ち良く晴れた日には、
洗濯するに限るね〜!」

真っ青な空の下、
はためく白い布地を満足気に眺め
軽く伸びをして、笑う。



本当に穏やかだ…



あの戦乱の世が、まるで…嘘みたいに。











「……クッ‥
誰かと思えば…源氏の軍奉行殿…か。」




「……!?」

急に後ろからかけられた声に驚いて振り返れば
そこには人影。



――本当に、気配さえも感じなかった。



二度目の驚きに何も言えず目を見開いていると、
その人影はゆっくりとこちらに向けて歩みを進める。



「…え!え、っと‥
貴殿は確か平家の…平知盛…様?」

「様…?
クッ‥そんなものはいらないさ…。
俺はそう‥畏まった呼び方をされるような
人間じゃあないから…な‥」


「あ……」


彼が歩みを進める度に
射るように鋭い紫苑の瞳が近くなる。

身に纏うどこか退廃的な雰囲気が
それと相俟って独特の色気を醸し出す。




「あ、の…それじゃあ、知盛殿。
知盛殿はどうしてこちらに?」

「今度は殿‥か?まぁいい。
ここに有川が上がり込んでいると聞いて‥な?」

「有川?…ああ、
もしかして将臣くんのことですか?」

「ああ…」

と…いうことは、
将臣くんを迎えにきたんだろうか?


こんな所まで‥?


面倒臭そうな顔をしつつも
きちんと将臣くんを気にしているらしい彼に
思わず頬が緩む‥。




「……なんだ。梶原。」

「え!?いや〜なんといいましょうか‥
知盛殿が噂に聞いた人物とはまるで違っていたもので‥」


怪訝そうな瞳でじろり、と見られても
なお笑いが込み上げてきて、
慌てつつもさらに弁解を試みる。



「私が聞いた話では、貴殿は
容易に近づくことも出来ぬ、よも恐ろしい鬼人だと…。
ひと度、戦闘になればその瞳は
まるで妖のように輝く…とか‥。」

「……ほぅ‥」


「けれど、今私から見た知盛殿は
噂とはまるで別人のようにも思えます。
人の噂とは‥全く、あてにならないものですね。」



「…クッ…
ああ、全くその通りだ‥な。

福原…生田で戦うことになるだろう、
源氏の軍奉行、梶原平三景時‥。
ひそかに目をつけていたんだが…。」


「……え‥?」


顔をあげ、こちらを見つめてくる知盛殿に
視線が捉えられ、動けなくなる。

内から溢れ出る妖艶なその雰囲気に
思わず目を見張れば、彼は
ちらりと舌を覗かせゆっくりと口の端を上げた‥。




「まさか…こんなにも
腑抜けた面構えをしているとは…な‥。」


「……っ‥」



「…なあ…梶原。
福原にはどんな戦いを想像して赴いた‥?

かちあう視線。

ただひたすらに
目の前の相手だけを映し…求め合う。

ゾクゾク…しただろう?

戦場で逢うお前は…
どんな瞳で俺を見るんだろうな…?」



「と…知盛…殿‥っ」




一歩、また一歩、と
未だ視線を逸らせないまま後退る。

追い詰められ、顎に手をかけ
狂気に満ちた紫苑の瞳で見つめられると
冷たい汗が背を伝った。




「梶原…景時‥
戦場を駆ける源氏の軍奉行…。
俺だけを捉えるその火のような瞳‥」


「…ん、と‥知盛‥殿‥っ」


「血に飢えた‥獣のような瞳で‥
もっと‥求めて見せろよ…。

本気を‥出そうぜ‥?」


「や‥め、‥んっ!」


ぺろり、と唇を舐められ
軽く口付け、開かれた口から侵入し、深く求められる。



「んん…ぅ‥っ」



口内で舌を絡ませ音をたてて吸われれば
ゾクリと肌が粟立ち、吐息さえも奪う程の
激しい口付けに思考が霞み始める。




「ん‥んんっ、…は、はぁ‥知盛‥殿…っ」


「クッ…薄く染まった唇、綺麗な肌。

お前の……視線。

梶原景時‥
もっと俺を‥求めてみろよ…。
あの時、果たせなかった対面を…
今‥果たそう‥ぜ?」


「…あ…ぁ‥っ」


「心地いい‥瞳だ…。

俺はお前が欲しい…。」



紫苑の瞳が欲と狂気に揺れて
噛み付くように激しく求められる。

甘い囁きと熱い吐息に翻弄されて…



おかしくなりそうだった。



いや……








「…お前が欲しい‥梶原景時。
例えこの場でお前を殺してでも…」


「……っ‥!」



ドサリ、と押し倒され
馬乗りになられて首筋に手を添えられる。



「…お前が‥欲しい…」




「知盛…殿‥」




答えて、淡く微笑めば、

首筋の手が離れ
代わりにチクリと軽い痛み…。

歯をたてられた
その場所が甘くじんわりと痺れる。




「…オレは‥」





もう、おかしくなっていたのだ…



そう、たぶんもうずっと。



そしてこの…
甘く優しい獣に牙をたてられてから。








「お前の本気を‥俺に見せてくれよ…」








心地いい低音に目を閉じて身を任せる。



優しく触れるそのぬくもりに







オレの心は 歓喜に震えた。







                             -fin-











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携帯でポチポチ作成した知盛×景時です; 

文の繋ぎ目などおかしかったらすみません・・m(_ _)m

っというかまだ他にもいろいろとおかしなところが・・ゲフンゲフン;;(-_-;)


今回の背景はもちろんチモ仕様・・・・。(笑)

赤いバラって、確か迷宮でチモが持ってたよね・・・?(^_^;)


 景時さん総受けはやっぱいいな・・! 

これからもちょこちょこ増やしていこう。。。(やめてください)