『ちょっとだけ。』





たったったっ、と音がした・・。
気配を読まなくてもこの足音ですぐにわかる。

・・こんなふうに足音をたてて歩くのは・・・・。

「・・カ〜カシ!もう任務終わったのー?さすがだねー?」

ひょこっと姿を現したのは
オレと同じ上忍で、いつも明るいのがとりえってところかな?

「ん〜?・・ま!こんな任務に時間かかってたら上忍なんてやってられないからね?」

そういって、スッ・・とまた、視線を本へと戻す。

「ふーん。」

「・・・。」

軽くそう答えたが、オレの隣に腰を下ろす。

・・まだ若いのに・・よっこいしょ!・・とか言ってるもんだから・・、
たまらずオレは吹き出した。

「・・・ぷっ・・!」

「・・えーっ?何?? 何かおかしいところがあった?カカシ!」

しかも、自分が笑われていることに気付いてもいないらしい・・。

・・その証拠に、の視線はカカシの持っている本へと向けられている・・。

「・・っ・・いや、何も・・?」

・・・この本が笑ってる理由だとでも思ったワケ・・?
そう思いながらカカシは肩を震わせ、必死に笑いをこらえていた・・。







・・二人の他には誰もいない上忍待機所。





・・そこには、静かな時が流れる・・・。





・・暇つぶしのための“イチャイチャパラダイス”も
もう、半分以上読んでしまった・・。







「・・・・はーぁ・・・疲れたぁ・・。」

「・・・ん?」

と、横で大きなため息。

見れば、いつも元気な彼女が欠伸をしながら
眠そうな瞳でじっと前を見つめていた。


「・・・ねむいの?」

「・・・んー・・ううん・・?」

口では否定しているものの、体は正直らしい・・。
彼女の体は今にも倒れそうなくらい、コクン・・コクン・・と揺れている・・。




「・・・・あーっ・・危なっ!! ちょい待ち!〜?」

「・・・んー・・・ん・・?」

前に倒れそうになっている彼女にひやひやしながら声をかけると、
とろん、とした瞳がこちらの方を向いた。

「・・危ないデショ・・? 、・・何やってんのー?」

「・・・・・だっ・・・て・・ぇ・・」



「・・・眠いなら・・家に帰っ・・!?」


・・・言おうとした言葉は・・・こてん、と
もたれかかってきた彼女に対しての驚きで遮られてしまう・・。





「・・・って、? ・・おーい??」

そう呼びかけても、しっかりとした返事はなく・・・。


眠気のせいか、消えそうなくらいか細い声で彼女が一言だけ呟いた・・。





「・・んん・・・ちょっと・・だけ・・。」





「・・えっ!?・・ちょっとって・・!?」






・・それっきり・・彼女から言葉を聞くことは出来なかった・・。




・・・自分にもたれかかり、気持ちよさそうに寝息を立てる彼女・・。






「・・・はぁ・・。」


その、とても忍者とは思えない無防備さに思わずため息。



・・動くことの出来ないカカシは、パタン・・と本を閉じ、
しかたなく・・彼女の顔を見つめることにした・・。


「・・そんな顔して寝てるとー・・悪いオオカミさんに、食べられちゃうよー?」



ボソッとそう呟けば、身じろぎをする彼女・・。


・・そんな彼女の行動がおかしくて、・・自然と笑みが漏れる・・。



「・・いつもこんなに静かなら、きっと・・モテたのにねー?」


・・いつもは見られない静かな表情の彼女は、とても新鮮で・・。

・・自分だけ得をしたような気分になる・・・。




・・それでも、静かな彼女は・・やっぱりなにか物足りなくて・・。


・・・・寂しい、と。


・・そう思ってしまう自分に驚いた・・。







「・・・早く目を覚ましてよー・・・・。」


顔を、ギリギリまで近づけて・・彼女が起きないことを確認する・・・。


・・・至近距離で見つめる彼女の顔は、見とれてしまうほどに美しかった・・。


「・・・・・早く目を覚まさないと・・・キスしちゃうよー・・?」


・・そう、静かな声で囁いても・・、やはり起きる気配がない。






「・・・・・。」







・・・・・そっと、マスクに手をかけ、下ろすと・・


・・カカシは、安心しきった表情でねむる彼女の頬へ・・、

・・触れるだけの口付けをおとした・・。










「・・・ん・・・。」



「・・・っ・・!?」



眉を寄せ、大きく身じろぎをする彼女に
ハッ・・と我に返ったカカシは、

元のようにマスクを引き上げて・・慎重に彼女の様子を窺う・・。





「・・・ん・・ぅん・・・。」






「・・・・・・。」




・・・・・しばらくして、また・・安らかな寝息が聞こえてくると、

・・・彼は、ホッと胸をなで下ろした・・。


「・・・・ふぅ・・。・・起きてない・・ね・・。」

相当疲れているのだろう・・。未だ目を覚まさない彼女を見つめて・・

カカシはそっと苦笑を漏らした・・。



「・・・この、鈍感〜・・。」



呟いたその声も、彼女には届かず・・・。


・・大きなため息をつくカカシ・・。





「・・・・はぁ・・・。・・・まったく・・・、
 俺の気持ちに・・何時、
 ・・気付いてくれるんだろうね・・お前は・・。」




・・・・紡いだその言葉は・・優しく吹き抜ける風にさらわれていく・・・。







・・・・やはり、安心しきった表情でねむる彼女を・・そっと引き寄せて・・・。


・・カカシは、目を閉じた・・・。







「・・・ちょっとだけ。
 ・・・じゃ、足りないんだよ・・?・・オレは・・。」


・・・そう言いながらも・・そこには・・

・・クスクスと・・幸せそうに笑うカカシがいて・・。





















・・・・そう、今は・・ちょっとだけ。で我慢しましょ・・。









・・・だって、お前が・・

こんなにも幸せそうな顔で隣にいてくれるんだから・・ね・・。









・・・・目が覚めたら・・・一番に挨拶できるの・・・





・・・このオレなんだから・・・ね・・・?







                         END



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☆アトガキ☆

うわぁ・・なんてほのぼのなんだろう・・。(汗)

私がこの話を書いたなんて信じられないくらいに

ほのぼのと・・しとりますね;;(ぇ

こんなのカカシ先生じゃないですか?;(^_^;)


やっぱり・・・・一周年&一万打記念ということで・・・

・・思い切って、イチャイチャパラダイス並にすればよかったですか?;(それはダメです!!!;)

一周年&一万打記念のイラストは・・遙かにしようと思っておりますので・・

NARUTOの方はドリームで・・vv(´ー`*)【←をい;;】

それでは;;

乱文、失礼いたしました;;

そして・・ここまで読んでくださった方、

本当にありがとうございましたvv(´∀`*)